個人投資家にもベンチャー企業にもメリットがあるエンジェル税制とは?

個人投資家にもベンチャー企業にもメリットがあるエンジェル税制とは?

最終更新日:2026年3月6日

個人投資家がベンチャー企業に対して投資を行うと、エンジェル税制という税制上の優遇措置を受けられる制度が利用できます。
エンジェル税制とはどんな制度なのか?
個人投資家にとってもベンチャー企業にとってもメリットがある、エンジェル税制について解説します。

エンジェル税制とは

エンジェル税制はベンチャー企業への投資の促進を目的とした優遇税制で、1997年の税制改正の際に設置されました。
ベンチャー企業へ投資を行った個人投資家に対し、税制上の優遇措置を行う制度で、投資を行った時点、または売却時点のいずれの時点でも税制上の優遇措置を受けることができるようになっています。

投資した年に受けられる優遇措置

【注記】本記事執筆時点(2017年頃)はA・Bの2種類でしたが、令和5年度(2023年)税制改正で「プレシード・シード特例」「起業特例」が追加され、現在は4種類(+起業特例)の優遇措置があります。制度の詳細は経済産業省の公式サイトでご確認ください。

ベンチャー企業に投資を行った個人投資家は、投資した年に以下のAとBのいずれかの優遇措置を受けることができます。
※Aは平成20年4月1日以降の投資が対象

A:(ベンチャー企業への投資額 − 2,000円)を、その年の総所得金額から控除
※控除対象となる投資額の上限は、総所得金額 × 40%と1,000万円800万円のいずれか低い方

【修正】控除上限は令和2年度(2020年)改正で 1,000万円800万円 に引き下げられました(経済産業省公式ページ・国税庁より確認)。

B:ベンチャー企業への投資額全額を、その年の他の株式譲渡から控除
※控除となる投資額の上限なし

売却した年に受けられる優遇措置

未上場ベンチャー企業の株式を売却した場合、売却によって生じた損失をその年の他の株式譲渡益と通算(相殺)することができます。
また、その年に通算(相殺)しきれなかった損失は翌年以降3年にわたり順次株式譲渡益と通算(相殺)できる優遇措置が受けられます。

ベンチャー企業が未上場のまま、破産・解散等によって株式の価値がなくなった場合も同様に翌年以降3年にわたる損失の繰越ができます。
投資した年にAかBの優遇措置を受けた場合は、その控除対象金額を取得価額から差し引いて売却損失を計算することになります。

エンジェル税制の対象となる投資方法

エンジェル税制での優遇措置を受けるには、以下のいずれかの投資方法で投資を行います。

1:直接投資
2:認定投資事業有限責任組合経由(経営指導を行うもの)
3:証券会社経由(グリーンシートエマージング銘柄)

【修正】グリーンシート市場は2018年3月に廃止されており、この投資方法は現在利用できません。削除しました。
なお、令和6年度(2024年)改正により、指定金銭信託(単独運用)を通じた投資も新たに対象に加わっています。

ベンチャー企業の要件

エンジェル税制の対象となるベンチャー企業になるには、以下の要件が定められています。

優遇措置A:
創業(設立)3年5年未満の中小企業者であること

【修正】優遇措置Aの対象企業要件は、税制改正により設立 3年未満5年未満 に拡充されました(経済産業省公式ページより確認)。

優遇措置B:
創業(設立)10年未満の中小企業者であること

上記の要件はほんの一部で、他にも細かな要件が定められています。
エンジェル税制の対象企業になると経済産業省の公式サイトに掲載してもらえるので、投資を受ける上でメリットがあります。

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