最終更新日:2026年3月9日
確定申告時に必見?白色や青色などと言う言葉は耳にしているけれど、その内容となると理解があまり出来ていない方も。また、申告書等の作成方法については会計ソフトを利用しようかどうか迷っている方もご一読ください。
白色申告とは?
個人が事業主(いわゆる自営業者)として個人事業者開業届を所轄の税務署に提出して開業した場合、とくに事前の申請をしなければ自動的に白色申告になります。いわゆる「フリーランス」の方も同じです。
所得(収入-必要経費)が基礎控除の48万円を超える場合は、申告が必要となります。最初は白色から始めても良いかもしれません。
サラリーマンの副業
また、サラリーマンなどが副業で得た所得が20万円を超える場合も申告が必要です。
ほかにも、2社以上から給与収入がある場合や1社でも年末調整を受けていない場合でも確定申告が必要となります。
サラリーマンなどが住宅ローン控除を受ける場合
また、給与収入が2,000万円を超える方(年末調整がされない為)や、医療費などが多額となり医療費控除を受ける方や、サラリーマンなどが住宅ローン控除を受ける場合でも初年度の確定申告をするケースがあります。
副業が事業であるか否か
今後、政府の提唱する「働き方改革」の影響で副業を検討される方も増える見込みですが、副業が事業であるか否かで申告の内容が違います。
以前は確定申告書に「A様式」(給与所得者向け)と「B様式」(事業所得者向け)の区分がありましたが、2023年分(令和5年分)の確定申告からA・Bの区分は廃止され、統一様式に一本化されています。
白色申告と青色申告の違い
白色と青色と言うのは申告書の色分け(白地と青地)がその由来ではありますが、現在では用紙の色による違いはありません。
ただし、確定申告の仕方に違いがあり、青色を選択することにより「税金が安くなる/特典を受けられる」仕組みとなっています。それではどれだけの差があるのか、その違いを詳しく見ていきましょう。
青色申告特別控除
・青色の場合は、青色申告特別控除が受けられます。控除額は記帳方法と申告方法によって以下の3段階に分かれます。
- 65万円控除 — 複式簿記で記帳し、かつe-Tax(電子申告)または電子帳簿保存を行っている場合
- 55万円控除 — 複式簿記で記帳しているが、e-Taxや電子帳簿保存を行っていない場合
- 10万円控除 — 簡易簿記で記帳している場合
2020年分から、最大65万円の控除を受けるにはe-Taxでの申告または電子帳簿保存が必須となりました。これらを行わない場合、複式簿記で記帳していても控除額は55万円となります。
青色事業専従者給与は必要経費として所得より控除
・白色の場合は、事業専従者控除額には制限(配偶者で86万円、その他の親族では50万円)がありますが、青色の場合は親族に支払った給与は青色事業専従者給与となりその全額(例:配偶者に月20万円でも240万円)が必要経費として所得より控除できます。
地代家賃・電気・水道・電話・通信料金など範囲はより大きい
・白色では50%以上を事業用に供している場合にのみ認められる家事関連費(自宅兼事務所or店舗)が、青色でも地代家賃・電気・水道・電話・通信料金など、家事按分は必要ですが必要経費となる範囲はより大きくなると言えます。
損失額を3年間にわたり繰越控除
・純損失が出た際は損失額を3年間にわたり繰越控除(翌年以降に利益が出る見込みであれば利益との相殺で効果大)ができます。
パソコン一式も経費にできる
・白色ではできなかった貸倒などの引当金などは一定額が必要経費となり、減価償却でも30万円未満(少額減価償却資産の特例に該当する)のパソコン一式(例:デスクトップ本体・モニター・キーボード・マウス)などの資産を取得した場合は、購入額を一括で償却(必要経費に算入)できます。ただし、年間合計300万円が上限です。
ただし、青色申告の対象となる所得は3つだけ
(1)事業所得、(2)不動産所得、(3)山林所得の3つだけです。
不動産所得のように事業的規模でなければ55万円・65万円の控除(つまり、不可の場合は10万円控除)が認められないケースもありますので注意しましょう。
青色申告の注意点
青色申告には開業日より2か月以内(1月15日以前に開業した場合は、3月15日まで)に青色申告承認申請書・青色事業専従者給与に関する届出書の提出が必要です(書類は国税庁のホームページや税務署で調達)。
また、55万円・65万円の特別控除を受ける為には複式簿記での記帳(発生主義)が必須です。さらに65万円控除にはe-Taxでの申告または電子帳簿保存が必要です。簡易簿記での記帳も可能ですが、10万円の特別控除となります。この場合は発生主義に代えて現金主義も可能ですが、事前に税務署への届出が必要となります。
記帳には、会計ソフトが便利です。会計ソフトで記帳した場合には作成が義務付けされている決算書「損益計算書並びに貸借対照表」が自動的にできるからです。
※「決算書⇒55万円・65万円控除(損益計算書・貸借対照表)、10万円控除(損益計算書)」
以上のメリットを考えますと白色で始めて会計ソフトに慣れるのを待つかは自由ですが、とくに少しでも簿記の知識のある方は最初から青色に挑戦されることをおすすめします。
白色申告のメリット・デメリット
白色申告のメリットとは?
白色申告のメリットは、複式簿記での記帳が不要で、簡素な単式簿記での申告で済むことです。
ただし、2014年1月より記帳義務が課せられるようになり、記帳により作成された帳簿(例:7年間)や証憑類(例:5年間)についての保管義務が青色と同様に課せられています。開業の届出の有無や赤字・黒字に関係なくすべての事業者が対象です。
そのため、以前と比べると「白色は楽」というメリットは小さくなっており、青色申告との手間の差を考えると、特典の多い青色申告を選択する方が結果的にお得と言えるケースも多いです。
白色申告のデメリットとは?
一方で、白色のデメリットは青色申告の特典がないということです。
具体的には以下のようなデメリットがあります。
・白色には現金主義が認められていない
・10万円以上の備品(例:パソコンセット)などを購入しても一括で償却ができない
・家事按分についても該当経費(例:電気代)などを半分以上事業で使用していると認められないと経費にできない
今後、ある程度事業を軌道に乗せてからと考えている方もいらっしゃると思いますが、できれば少しでも早めに会計ソフトを使用した青色申告に挑戦されることをおすすめします。
また最近では、国税局が無料で記帳指導の講習会などを行っていることもありますので、何かと分かりづらい会計ソフトの使用方法なども学べる機会でもあり参加されてはいかがでしょうか。
白色申告の必要な書類
・確定申告書(個人事業主・フリーランス)
・収支内訳書(青色で言う損益計算書)
・必要に応じて添付する各控除証明書等(e-Tax利用者:電磁的方法も可能)
・売上帳・経費帳の作成・保存が必要
以下は、任意で作成する帳簿
・売掛帳
・買掛帳
・棚卸表
・固定資産台帳
手書きでの記帳もできますが、何かと面倒です。そこで、最近は白色でも記帳に便利な会計ソフトを利用する方も増えているようです。
白色申告の流れ
白色の場合は簡単な単式簿記(家計簿がつけられると記帳は大丈夫)での記帳つまり、確定申告する年の前年の1月1日~12月31日までの取引内容(日々の収支:日付・収支の適用・収支別金額・差引残高)を記帳するだけです。
売上があれば収入が生まれます。仕入れや経費は支出となります。しかも日々の合計額でも構わないところが楽勝です。
青色の場合は、青色申告承認申請書の提出が必要ですが、白色(開業届書について提出の有無にかかわらず白色)は不要です。
ただし、従来は青色のような決算書を作成できるような記帳は不要でしたが、白色でも2014年(平成26年)1月より取引金額に関わらずすべての事業者に記帳が義務付けられました。
それでも取引が多くなければ会計ソフトに頼らずエクセルなどを使用した記帳(法定/任意帳簿の作成まで)でもできないことはないでしょう。ただし、取引が増えれば会計ソフトを利用して特典の多い青色申告も検討しましょう。
また、白色・青色問わず申告時期に、国税庁のホームページ(確定申告書作成コーナー)より案内に従って入力すれば確定申告書の作成も楽々です。
基本的に、入力漏れがあると進みませんが正しい数字を入力しましょう。
作成した申告書は電子申告(e-Tax⇒本人確認の為にマイナンバーカードが必要。カードの読み取りにはICカードリーダーライターのほか、対応するスマートフォンでも可能)の他、印刷をして所轄税務署に提出(持参or郵送)することもできますので初めての方は一度挑戦してみてください。
また、持参の場合は専用の受付場所が設定されていると思いますのでご確認ください(申告相談コーナーと別)。
白色申告の注意点
白色申告する際の注意点をお伝えします。
・マイナンバーカードを作っていない方は「通知カードと免許証などの本人確認書類(もしくは各写しを添付)」も忘れずに持っていきましょう。
・青色と同様に法定帳簿や証憑類についても保管義務がありますので申告を終えた後も注意しましょう。
・現在、源泉徴収票などが申告に際し添付不要となっていますが、こちらはご自分で申告ができる場合です。確定申告の時期に税務署の特設会場で開催される相談会での相談時には持参しましょう。
そして、必要な書類は以下の通りです。
確定申告書に添付が必要な書類
・収支内訳書
・各種控除証明書等
・マイナンバーカードの提示(もしくは表裏両面の写しを添付)(※)が必要です。
※確定申告書の提出を税務署への持参や郵送で行う場合
この記事を書いた人
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務アドバイスを行うものではありません。確定申告の詳細や最新の税制改正については、国税庁のホームページや所轄の税務署、税理士等の専門家にご確認ください。






